東京大学教養学部附属教養教育開発機構

Komaba Organization for Educational Development

 

平成19年度文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP) 」 に            本学の取組が採択されました。

 東京大学の「ICTを活用した新たな教養教育の実現−アクティブラーニングの深化による国際標準の授業モデル構築− 」の取組が、平成19年度の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP) 」に採択されました。

  「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP) 」は、文部科学省が、各種政府審議会からの提言等、社会的要請の強い政策課題に対応したテーマ設定を行い、各大学・短期大学・高等専門学校から申請された取組の中から、特に優れた教育プロジェクト(取組)を選定し、広く社会に情報提供するとともに、財政支援を行うことで、これからの時代を担う優れた人材の養成を推進することを目的とする補助事業です。

 本学の取組は、文部科学省が設定した5つの課題のうちの「教育効果向上のためのICT活用教育の推進」の1つとして、総数100件(国公立私立共同申請件数を含む)の申請の中から、厳正な審査により採択されました。

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◆ 東京大学の取組の概要及び採択理由 ◆

取組内容
ICTを活用した新たな教養教育の実現−アクティブラーニングの深化による国際標準の授業モデル構築−
取組学部等
教養学部 大学院情報学環 大学総合教育研究センター
申請担当者 永田 敬(大学院総合文化研究科教授)
取組の概要  今日の大学教育の喫緊の課題は、教養教育のあり方とその教育手法の抜本的な見直しである。より複雑な人間活動と多様な情報が氾濫する現代社会に通用する国際的な人材を養成するには、専門分野の枠組みを超えた教養教育によって総合的な力を身につけさせる必要がある。
  本取組では、能動的かつ高次な学習活動「アクティブラーニング」を導入した教養教育の授業モデル構築を行う。現象・データ・情報・映像などの知識のインプットに対して、読解・作文・討論・問題解決などを通じて分析・統合・評価・意志決定を行い、その成果を組織化しアウトプットするまでの過程の教育を強化する。
  本学で実績のある教養教育にアクティブラーニングを応用して、Tablet PC等のICTを活用することで、学生が能動的に知識を組織化する力を高める効果が期待される。こうした教養教育の新しい授業モデルを、文系・理系・語学の3領域を対象に包括的に構築し、その学習効果を評価する。
採択理由

 

 本取組は、これからの社会で期待される人物像を、専門分野についての確かで豊富な知識・学力を持ちつつその専門性にとらわれることなく幅広い視野を持った人材と想定し、その育成のために積極的に教養教育の手法やICT技術を活用して見直そうという、重要かつ本質的な課題への挑戦であります。またその手法も従来は理工系に適用されることが多かった「アクティブラーニング」の文理両分野に渡る適応を実現しようとする独創的かつ野心的なものであり、その成果に大いに期待したい取組であるといえます。特に、その成果目標を一大学における成功事例としての位置付けにとどまらず、国際標準モデルとして内外に展開可能なレベルとしており、その意味でも是非目標達成を目指してほしいものです。
  今後は学内での実践における着実な成果達成・検証に加えて、国際的なレベルでのこの分野の実践事例の進展状況も十分に調査検討され、目標とされている国際標準モデルの実現に向け努力されることを期待します。そのためにも独自性が汎用性への障害とならないよう普遍的なモデル構築とその実践のための工夫を積み上げていただきたく思います。

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