東京大学の「国際連携による初年次教養教育のモデル実現--職員・学生の参画をとおした「学び」のエンパワーメント--」の取組が、平成19年度の文部科学省「大学教育の国際化推進プログラム(海外先進教育実践支援)」に採択されました。
社会、経済等のグローバル化の進展と共に、高等教育における国際的流動性が高まる中、欧米諸国においても積極的な留学生施策の実施や国境を越えた教育の提供が行われており、我が国における大学教育の一層の国際化推進が喫緊の課題となっています。
文部科学省によるこのプログラムは、我が国の高等教育の国際的通用性・共通性の向上を図るため、大学等の教職員を海外の教育研究機関等に派遣し、教育能力の向上及び教育内容・方法等の改善を図る優れた取組を選定し、財政支援を行うことで、高等教育改革を一層促進することを目的とした補助事業です。
昨年度、東京大学は「国際標準の学部初年次教育実現のモデル構築−留学生も視野に入れた先進的研修プログラムの試行−」への取組を申請し、採択されましたが、引き続き、今年度も総数76件(国公立私立共同申請件数を含む)の申請の中から、厳正な審査により採択されました。
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◆ 東京大学の取組の概要及び採択理由 ◆
取組内容 |
国際連携による初年次教養教育のモデル実現
--職員・学生の参画をとおした「学び」のエンパワーメント-- |
申請単位 |
大学全体 |
申請担当者 |
教養学部長 小島 憲道 |
取組の概要 |
海外の一流大学が戦略的なリーダーシップの下に進めている教育プログラムのうち、日本の大学が立ち遅れている取組みに、「学部初年次教育」がある。これは、新入生が大学という新しい環境に積極的に適応し、学部4 年間に高度な教育達成を実現するように導く1-2 年次の包括的なプログラムである。かねてより教養教育の拡充に努めてきた東京大学もより高度な人材育成のためにこの視点を取り込み、学部教育の質を一層高める必要性が高い。
この取組では、充実したプログラムを実施しているアメリカの先進大学(ハーバード大学とスタンフォード大学、MIT、ペンシルヴァニア州立大学)および、ライティングセンターやオナーズプログラムで定評のあるシンガポール国立大学に本学の教職員を派遣し、濃密な研修プログラムを実施し、蓄積されたノウハウを学習させ、学習支援やアクティブラーニングについて国際水準の初年次教養教育モデルの先導的導入を行なう。 |
採択理由
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日本の大学において、初年次教育の適切な開発は喫緊の課題ですが、現状で実施されているものは日本の教育・文化や学生の希望などが十分に反映されていないものが多数です。
本取組みは、米国の事例を参考に、日本の大学における「初年次教育」の向上を目指したもので、日本の高等教育のレベルを国際通用性に耐える高水準に引き上げようとする企図に立っており、既に一定の国際的調査を実施しているが、十分にその調査が役立てて企画されたものになっております。 |
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