東京大学の「国際標準の学部初年次教育実現のモデル構築−留学生も視野に入れた先進的研修プログラムの試行−」の取組が、平成18年度の文部科学省「大学教育の国際化推進プログラム(海外先進教育実践支援)」に採択されました。
社会、経済等のグローバル化の進展と共に、高等教育における国際的流動性が高まる中、欧米諸国においても積極的な留学生施策の実施や国境を越えた教育の提供が行われており、我が国における大学教育の一層の国際化推進が喫緊の課題となっています。
文部科学省によるこのプログラムは、我が国の高等教育の国際的通用性・共通性の向上を図るため、大学等の教職員を海外の教育研究機関等に派遣し、教育能力の向上及び教育内容・方法等の改善を図る優れた取組を選定し、財政支援を行うことで、高等教育改革を一層促進することを目的とした補助事業です。
本年度、東京大学は「国際標準の学部初年次教育実現のモデル構築−留学生も視野に入れた先進的研修プログラムの試行−」への取組を申請し、総数90件(国公立私立共同申請件数を含む)の申請の中から、厳正な審査により採択されました。
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◆ 東京大学の取組の概要及び採択理由 ◆
取組内容 |
国際標準の学部初年次教育実現のモデル構築
−留学生も視野に入れた先進的研修プログラムの試行− |
申請単位 |
大学全体 |
申請担当者 |
教養学部長 木畑 洋一 |
取組の概要 |
海外の一流大学が精力的に行なっている学生向けプログラムのうち、日本の大学が立ち遅れている取組に、「学部初年次教育」がある。
これは First Year Program と言われるもので、新入生が大学という新しい環境に適応し、積極的に学部4年間の勉学にいそしむように導く導入プログラムであり、特にアメリカの一流大学(アイビー・リーグ、およびそれと競い合う大学)では、戦略的なリーダーシップの下にその拡充に力を入れている。
本取組では、充実した取組を行なっているアメリカの先進大学に本学の教職員を派遣し、濃密な研修プログラムを実施し、蓄積されたノウハウを学習させ、国際水準の教育モデルの先導的導入を行なう。
特に、留学生を対象とする初年次教育の拡充を目指して、東京大学としての新しい仕組みの構築について、送り出し国となるアジアの諸大学と協議を行い、世界に開かれた「学部初年次教育」実現のための協議を行なう。 |
採択理由
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この取組は、教育環境改善プログラムとして優れており、また、我が国の大学教育問題の本質に迫る取組であり、その成果が大いに期待できると評価できます。
とくに、申請大学のように影響力のある大きな大学が、まだ全国的には必要性が薄いと考えられている初年次教育に真剣に取り組まれており、その成果が期待できます。 |
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