教養学部附属教養教育開発機構 NEDO特別部門 の設置

 持続可能な人類社会の構築に向けて、社会活動の基盤となるエネルギー需給や環境保全などのエネルギー・環境問題は、現代の科学技術が総力をあげて取り組むべき喫緊の重要課題となっています。

 高等教育の課題として、次世代を担う若者達に、今後立ち向かうべき課題を正しく理解するように促し、将来の適切な判断と行動に繋がる学問的な素地を養わせることは、専門分野を問わない教養教育においてこそ重要です。

 独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)は、本年6月に「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」の委託及び助成事業に関する採択先として、東京大学先端科学技術研究センター及び企業11社を決定しました。
http://www.nedo.go.jp/index.html
http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/190316_2/190316_2.html
http://www.meti.go.jp/policy/sougou/yosan/konmen/HikariShokubai.htm

 このプロジェクトは、室内外の有害化学物質や細菌・ウィルス、土壌汚染等の生活環境を脅かす諸問題に対し、光触媒による省資源・省エネルギー効果を活かした新素材や新システムの開発を進め、住宅建材や医療関連等の市場拡大と安心・安全な生活環境の実現につなげようとするものです。
実施期間は、平成19年6月1日から平成22年3月20日まで。

 「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」には「新しい環境・エネルギー科学創成のための人材育成・異分野融合拠点化事業」という名称の教育部門が設置されます。

 「新しい環境・エネルギー科学創成のための人材育成・異分野融合拠点化事業」の開始を受けて、東京大学教養学部附属教養教育開発機構は、「NEDO新環境エネルギー科学創成特別部門(以下、「NEDO特別部門」)」を設置し、東京大学の1・2年生(教養学部学生)約6,700名を対象として、「エネルギー・環境科学」の創成を担う人材育成に向けた授業を、講義や実習など多彩な形で展開していきます。→概念図

 NEDO特別部門では、以下の教育プロジェクトを実施します。
(a)エネルギー環境科学技術、エネルギー環境行政、エネルギー環境経済等、エネルギー環境に関わる学際的・総合的な教育カリキュラムを設計し、教養学部の総合科目や主題科目(テーマ講義・全学自由研究ゼミナール)に系統的に開講します。
(b)全学体験ゼミナールを開講し、風力発電やバイオマスなどの代替エネルギー開発事業の現場等に赴き、現場に根ざした教育プログラムを実施します。国内のみならず、海外にも活動の範囲を広げ、現地の若い世代とも交流し、次世代代替エネルギー・環境問題に取り組む国際的なネットワーク形成を促す活動を展開します。
(c)自然科学・工学のみならず、社会科学・経済学・行政学など、様々な学門分野の研究者・企業・行政機関の関係者も含めた人的ネットワーク「エネルギー環境教育支援ネットワーク」を構築し、教育実施・支援体制を整備します。
(d)エネルギー・環境科学に関する教科書などの教材開発、学術書・一般教養書の企画・編纂などを実施します。全国の大学のみならず、世界(特に東アジア)の大学に、エネルギー環境教育の意義と内容を発信します。


問い合わせ先
教養学部附属教養教育開発機構 Tel: 03-5454-6660(内線4-4247)



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