2010年度 後期課程共通科目「社会学理論」
参考文献はここ→参考文献のページ
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※※授業を終えて
1月28日(金)で13回の授業を無事終えました。
今年度は、学生にノートを取ってもらったこともあって、私もじっくり反省しながら授業を進めることが出来たと思います。この頁の下にリンクが貼ってありますのでどうぞ見てください。
今日書いてもらった授業の感想に、
(1)「理論(機能主義vs.葛藤理論)から権力の問題、そして最後の<自殺の決定権力>までの問題がどうつながっていたのか、最後の授業でようやくわかった」。
(2)「社会学者の思考の枠組みをもっと説明して欲しかった。<ルーマン的に考えると…>とか言われてもわからない」
というものがありました。
いずれもごもっとも。(1)のレベルまで皆さんの理解を高めることが出来たでしょうか?これがエッセンスのエッセンスなんです。
(2)授業で時々私が言っていた<デリダで言うと「脱構築」>とか、<これは言語ゲーム>とかは気にしないでください。こういうことを知らない人も、私の授業を聞けば、難しそうに聞こえることが本当は易しいというつもりで言っていただけです。
もうひとつ、この講義には、「社会の可知性」(社会のメンバーが社会について知るとはどういうことか?)の問いがありました。これについては、こう言いましょう。「デュルケムは間違った研究をしていたわけではない。しかし、彼が<自分は何について研究をしているのか>について持っていた理解は間違っていた」。ダグラスは前者(デュルケムは間違った研究をしていた)と主張した。これは間違い。それならば、アトキンソンは何か?
デュルケムの研究は、彼が正しいと思っていたような意味では正しくない。しかし、間違っていたわけでない。社会についての学は、真偽の値が決まらないということ(=外部というものがないということ)ことがわかっただけ。これはものすごい結論ですね。社会学の理論が根底からひっくり返りました。
補講について
今日(1月26日)の授業は休講でした。
1月28日(金)に補講をします。
教室と時限はいつもと同じです。
期末レポートの提出について
期末レポートの提出は、
4年生・他学部生 2月3日(木)
3年生・2年生 3月1日(火) です。
いずれも午後4時30分まで。
提出先:教務課後期課程係窓口
郵送する場合の宛先:
153-8902 目黒区駒場3-8-1 東京大学教養学部
2号館国際社会科学専攻 山本泰
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宿題を出しました(11月19日)。
先回の課題への書き込みと、19日の授業でのグループ討議の内容を深めて(よく考えて)、以下の問いに答える。
テーマは5つ。
そのうち、ひとつを選んで、以下のページに考えたことを書き込む。
社会学的想像力
1-1)普通の人が「普通のこと」を自明視しているメカニズム
1-2)保守派の人たちの「社会学的想像力?」のあり方
カムアウト
3-1)カムアウトという戦略の影
3-2)カムアウト戦略の不可避性
POWER
4)さまざまな形で私たちの周囲で働いている「力」を分別する
11月25日(木)の18時までに掲示板に書き込んでください。20〜30行程度→宿題提出のページ2
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宿題を出しました(11月12日)。
課題は、「<The Times of Harvey Milk (カラー 87分 アメリカ映画
1984年アカデミー最優秀長編記録映画賞受賞)>をじっくり見て、以下の問いに答える」 。
テーマは4つ。
そのうち、ひとつを選んで、以下のページに考えたことを書き込む。
1)登場人物たちはどのように「社会学的想像力」を行使したと言えるか?
2)この出来事の主要な局面を社会関係の型の観点から分析せよ。
3)「カムアウト」という行為はどのような社会的な戦略と考えられるか?
4)社会という場の性質を「力=power」に注目して論ぜよ。
以下の書き込みページにパスワードをかけました。「宿題提出のページ」にアクセするとユーザー名とパスワードを聞かれます。ユーザー名はsociology。パスワードは、以下の問いの答です。[問い] 結合過程の下位類型は、協力、交換、○○です。○○は何でしょう?shinpaiのように綴れば、それがパスワードです。
11月18日(木)の18時までに掲示板に書き込んでください。20行程度→宿題提出のページ
授業の記録 (柳采延ほか作成)
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身近な社会を観察する
第2回(10月15日)、第3回(10月22日)、第4回(10月29日)、
第5回(11月5日)、
社会という場の性質を考える(争い)
第7回(11月19日)、第8回(11月26日)、
第9回(12月3日)-1、第9回(12月3日)-2
社会という場の性質を考える(自殺)
第10回(12月10日)、第11回(12月17日)、第12回(1月26日)、
第13回(1月28日)
THE SERENITY PRAYER
O God, give us
serenity to accept what cannot be changed,
courage to change what should be changed,
and wisdom to distinguish the one from the other.
アメリカの神学者ラインホールド・ニーバー(Reinhold Niebuhr、1892-1971)が、1943年夏にマサチューセッツ州西部の山村の小さな教会で説教したときの祈り。
http://en.wikipedia.org/wiki/Serenity_Prayer
社会学(の私の授業)は、上で言うwisdomの一部でありたいものです。
金曜日3限(1213教室)
去年の授業のページ →こちら
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