• 6月17日 「バイオエタノールの現在と将来の展望」(アサヒビール(株) 小原 聡主任研究員)
  •  現在、バイオエタノール生産を巡っては、石油に代わる代替エネルギーとして特に自動車燃料で注目されている。一方で、最近のマスコミ報道等では、バイオエタノール生産による食料高騰のニュースが毎日のように取り上げられている。このバイオエタノールの実情と展望はどうなのか、それがこの講義のテーマであった。
     アサヒビール(株)の小原主任研究員は、いままさに注目を集めているバイオエタノール事業にいち早く着目し、事業化への取り組みを進めている新進気鋭の技術者である。授業においては、バイオエタノールの基礎知識や現状、また世界の主要生産国であるブラジルやアメリカのバイオエタノール生産の現状と特徴が、写真を多用してわかりやすく紹介された。その上で、食糧生産との競合を防ぐためには、技術開発よりも、サトウキビなど原料生産において品種改良等で収量を上昇させることであることを強調。これまでの食料生産量を確保しつつ、増えた収量でバイオエタノール生産へと展開する自身が開発した方法を説明した。
     今後の展望としては、バイオエタノール生産効率の更なる上昇のほか、サトウキビ栽培を環境対策へも展開する可能性なども語られた。また、新しい環境技術、エネルギー技術等の普及のための要点なども強調された。