- 11月13日 「風力発電のビジネス(大型風力発電メーカの立場から) 」(三菱重工業株式会社 上田 悦紀 氏)
- 風力発電は,太陽光発電よりも経済性に優れ,大規模化が容易であり,将来有望なエネルギー源となる可能性が高い.風力発電を推進する動機として,CO2 削減,石油代替エネルギーとしての利用,自国でエネルギーをまかなう安全保障上の理由,産業振興と雇用確保,などが挙げられる.理論上,風力エネルギーは,世界のエネルギー需要を十分に賄えるだけの賦存量がある.
- 風力発電市場は,今後急激に成長していくと考えられるが,いち早く風力を導入してきた欧州では,国内市場が飽和しつつあり,今後は中国,インド,アメリカなどが主な市場となる.わが国では,さまざまな阻害要因により,アジア諸国の成長スピードに取り残されている.
- 欧州では,国内市場の縮小に伴い,風車メーカーの生き残り策として,洋上への進出,輸出に展開する,などの対応がとられているが,洋上風車は,検討されるべき問題点を多く抱えており,現状では,中国,アメリカの2大市場への輸出に頼っている.
- 風車産業は,雇用を支える新産業であり,日本の工業力と研究開発力を風車産業に生かしていく必要がある.
- 風力発電分野について,ビジネスの視点で様々な角度から紹介いただいた.
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(レポート担当:工学系研究科修士1年 宮川圭介)